Panasonic TH-36D60 の異常な映像の歪みについて

・どう見えるか

スピードの遅いパン&ズームなしの映像において、異常個所で映像
が”波打つ”ように見えます。異常個所上にレンズを置いたらこう見え
るのではないか?、という感じで、非常に違和感があります。

*「パン」とはカメラを水平方向に振ることです。

ブラウン管では偏向歪みが避けられません。画像の歪みというと一
般に偏向歪みのことだと考えられるかもしれませんが、今回問題
としている歪みは偏向歪みのことではありません。
この点を強調しておきたいと思います。

SONY 東芝、等 通常のブラウン管で見られる歪み
 −そもそもこのような糸巻き歪みは、望遠レンズで撮影された
  映像ソース自体にも含まれていることや、広角レンズで撮
  影された映像では樽型歪みがあり、これを打ち消す効果
  があるため殆ど気にならない

1.gif

Panasonic TH-36D60 の異常な映像の歪み

2.gif

・静止映像やズームするような映像では判別は困難
・左右にゆっくりカメラを振るような映像で”波打った”ように見える
・展示品と所有している個体を含めて4台中4台でこの症状が認められた
・店頭ではかなり頑張ってみないと確認できないが自宅で数時間見ていれば
 ちょくちょく目にする

                 *注意*
    画像は症状をわかりやすくする為誇張しており、クロスハッチでの
    目視による確認はできません。ハッチの間隔を計測すれば可

目視による異常なゆがみの確認方法

静止したクロスハッチで目視による歪みの確認は非常に困難であるので
簡単に確認するために動画(2.4MB)を作成しました。ただし、動きがあまり
よくないので若干確認しにくいです。スムーズに動くものを何方か作ってい
ただけないでしょうか・・

所有している個体(36D60)のクロスハッチ間隔計測結果

作成したクロスハッチ(375KB,画面全域に表示されるよう修正)をSDカードに
書き込みブラウン管に表示させ、水平の赤いラインの中心から右半分のハ
ッチ間隔を測ったもので、もっとも中心に近い値に対するその他の間隔との
比をプロットしたものを示します。パンによって、表示されている”モノ”は中心
から70[cm]の位置から急激に横幅が広がり、220[mm]付近で急激に幅が縮
みます。これが”波打っている”と感じられる原因であると考えられます。歪
みが感じられるのは150[mm]付近ですので、290[mm]付近程度であれば体
感できないのでしょう。(他の36D60や、その他メーカのデータを現在収集中)

3.gif

ハッチ間隔の値は注意深く測定しておりますが、最大で0.5[mm]程度の誤差が
ある可能性があります(0.2[mm]以内の誤差になるように努力しましたが)。ハッチ
間隔はおよそ35[mm]前後であり、このプロットには最大で0.014程度の誤差のあ
る場合があると考えられます。

・目視による確認方法2

45度回転させたクロスハッチ(564KB)によって比較的簡単に確認することができました。
一枚目に正面から撮影した画像を示します。部屋の明かりを落として撮影したためTVの
枠が写っていませんが、実写です。画像中の赤と緑の線は正確に45度の傾きを持たせ
ています。「正面」画像で囲った”赤”、”緑”、”黄”はそれぞれ「中央上部から右下方向」
の画像、「中央上部から左下方向」、「中央上部拡大」中の線の色に対応します。

                                   正面

full-rc-m.jpg

この程度の歪みがあると、パン映像が”波打つ”のを感じるようです。

                              中央上部から右下方向

rc-a-m.jpg

左側も若干歪んでいますが、パン映像で波打つことは感じません。

                              中央上部から左下方向

rc-b-m.jpg

これまでここでは触れませんでしたが、画面上端部が全域にわたって縦に引き伸ばされていました。
この画像でそれが良くわかります。

                              中央上部拡大

rc-c-m.jpg

歪みを確認した映像入力
 − 内蔵チューナによるBSデジタル16:9ハイビジョン
  − 内蔵チューナによるBSデジタル4:3
  − 内蔵チューナによる地上波デジタル16:9ハイビジョン
  − 内蔵チューナによる地上波デジタル4:3
  − D端子入力 → PCのコンポーネント出力からチェック動画による確認
  − SDカードの画像表示 → クロスハッチ間隔測定による確認